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2023.10.08 Sun
定期借家契約を締結するメリットとデメリットとは?
賃貸マンションやアパートの契約形態として、「定期借家契約」を選択するオーナー様が増えてきています。定期借家契約は、普通借家契約と比較してオーナー様に有利な部分が多いため、メリットばかりと思われるケースもありますが、あらかじめ知っておきたいデメリットも存在します。
定期借家契約にするメリット
まずは定期借家契約にすることで、オーナー様が得られるメリットについて見ていきましょう。
契約期間を自由に定められる
1年以上の契約期間を定めることが義務とされる普通借家契約とは異なり、定期借家契約では契約期間を自由に定めることが可能です。つまり1年未満の契約とすることも、10年20年に設定することもできるということです。
例えば所有する物件の取り壊しが10ヵ月後に控えている場合、少しでも家賃収入を得たいと思っても、普通借家では1年未満の契約ができません。定期借家契約であれば「10ヶ月間の定期借家契約」として契約でき、10ヶ月後の契約期間終了とともに、確実に明け渡してもらうことが可能です。
家賃減額請求権を排除できる
定期借家契約と普通借家契約における違いには、契約書上で入居者様からの家賃の減額請求の可否を設定できるかという点も挙げられます。「借主からの賃料減額は請求できないものとする」という旨の特約は「不減特約」と呼ばれ、定期借家契約の場合有効とされるものです。
普通借家契約の契約書においては、不減特約を記載しても無効扱いとなるため、入居者様から家賃減額を申し出ることを不可としたい場合は、定期借家契約を選択するといいでしょう。
定期借家契約にするデメリット
契約期間を自由に設定できる点や、家賃の減額請求を受けないというメリットがある一方で、定期借家契約を選択する場合には、デメリットも知っておく必要があります。
家賃相場が安い
店舗や事務所といった事業用の賃貸物件では浸透している定期借家契約ですが、住居系ではまだまだ普通借家契約としている物件がほとんどです。
先述の通り、定期借家契約は「契約期間終了と同時に出ていかなくてはいけない」という、入居者様にとって不利な契約形態ということもあり、定期借家契約自体が避けられる傾向にあります。
そのため、定期借家契約でマンションやアパートを貸し出す場合は、周辺相場よりも安く設定する必要があるという点が懸念点の1つ目です。
貸主からの中途解約ができない
「中途解約」とは、賃貸借契約期間中に解約することを指します。普通借家契約では相当の期間を定めたうえで、オーナー様と入居者様の双方に、中途解約を申し出る権利があると定めることが可能です。
それに対して定期借家契約の場合は、入居者様からの合意がない限り、オーナー様の申し出による中途解約はできないものとされています。
万が一契約期間満了を待たずして、貸し出している物件を使用する事情ができた場合であっても、入居者様が応じない限りは退去してもらえないということです。
その場合、オーナー様は契約期間終了まで待つ必要があるという点は押さえておきましょう。
定期借家契約を選ぶ際は慎重に
定期借家契約は貸主が有利な契約形態であるため、オーナー様にとってはメリットになる点は多くあります。その一方で、家賃を周辺相場より下げる必要があったり、中途解約ができない場合があったりと、少なからずデメリットもあるという点には注意が必要です。
計画的な賃貸経営のためには、入居者様の募集や物件の管理を行ったりする不動産会社の専門的な知識や経験を借りることも大切です。
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